賃貸マンションのエントランスを好印象にするためのポイントとは

マンションやアパートは、共用部分も空室対策への影響は室内と同等です。ゴミ置き場や駐輪場が汚いのは厳禁ですが、日常的に目にするエントランスなどの共用部も目立つので、注意が必要です。外構や道路からのアプローチも含めた、印象を一変する大胆なリノベーションを検討しましょう。

コンセプトを決め、明るくオシャレに。夜間ライトアップも効果的

内見に訪れた入居希望者は、居室と外観だけでなく、必ず共用部分に目を留めます。ゴミ置き場や駐輪場が汚いのは厳禁ですが、日常的に目にするエントランスなどの共用部にも注意が必要です。

エントランスは、外構や道路からのアプローチも含めたリノベーションを検討しましょう。ターゲットとなる入居者とそのニーズを想定し、効果的な改善方法を考えます。女性が狙いならば、エントランスは明るくオシャレにし、照明を工夫して防犯性を高めます。

館名プレートを洗練されたデザインのものに替える、夜のライトアップに工夫を凝らす、集合ポスト周囲の壁をタイル貼りにして高級感を出す、なども効果的です。

また、植栽も工夫の凝らしどころです。シンボルツリーを植えたり、季節を感じられる草花を植えたりすることで、物件の第一印象がグンとアップします。

共用部リノベーションの成功事例

エントランスを含めた共用部リノベーションの成功例を、2つ紹介します。

リノベーション成功例1:築24年のマンション

一つ目は、築24年のマンションの外観・エントランス部分のデザインを変えただけで、人気物件に変貌した例です。

既存の庇を建物の個性と捉え、それを利用して白いアーチを造り、黒く塗装した壁とのコントラストで際立たせて、訪れた人の印象に残るエントランスにしています。

サイン・植栽のライトアップとホールのデザイン照明は、夜に煌めく劇場のエントランスのように、訪れるひとを迎え入れる心躍るような楽しさの演出です。改修前は27室中12室が空室状態でしたが、大きな反響を呼び、家賃アップにもかかわらず2カ月で満室になりました。

賃貸マンションのエントランスを好印象にするためのポイントとは2 賃貸マンションのエントランスを好印象にするためのポイントとは2

築24年のSRC造。ライトアップされた夜の表情も美しい。

工事費/外観約140万円、ホール約40万円
写真提供:株式会社インターデザイン

リノベーション成功例2:築30年のマンション

二つ目は、築30年のマンションを大胆な色使いでデザインチェンジさせた例です。

エントランスは腰壁やエレガントな玄関灯で、「地中海のアパルトマン」をイメージをさせる雰囲気に。無機質で薄暗かった階段や廊下は、フローリング調の床材を張って温もりを生み、壁面は白を基調に明るく一新しました。

壁の一面やドアを鮮やかなカラーで塗装してアクセントにしています。他にない個性をオシャレに演出したことで注目を集め、長引いていた空室が埋まり、1階テナントにはヘアサロンが入りました。

賃貸マンションのエントランスを好印象にするためのポイントとは2

築30年の鉄骨RC造。「地中海」をテーマに、外観・エントランスのデザインを変え、階段・廊下には各階ごとにコンセプトカラーを設定し、明るく個性的に

写真提供:株式会社ノットコーポレーション

まとめ

ついつい内装に目が行きがちですが、共用部の印象も入居の決め手となります。共用部のリノベーションで印象をガラリと変えてみてはいかがでしょうか。

文/木村 元紀

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