「空室対策」って何から始めればいい? 4つのステップでわかる『空室対策診断』

4つのステップで現状を診断してから、改善が必要な課題を見つけ、どんな解決策を実行すればいいか、その方針を立てましょう。何よりも「空室の原因は何か」を発見し、原因に応じた対策を立てることが大切です。

空室の「本当の」原因を把握していますか?

「部屋が空いたままなので早く次の入居者を決めてほしい」と管理会社に働きかけると、「家賃が高いので下げしましょう」「古い設備を新しいのに入れ替えましょう。併せてリフォームも・・・」などといった答えが返って来ることがあります。そこで言われるままに実行したにもかかわらず、その後もずっと空いたまま、というケースが珍しくありません。このような場合は、空室の本当の原因を突き止めずに、見当違いの対応をしてしまっていると考えられます。

どこから直す?「空室対策診断」でチェック

空室の原因はさまざまです。体調が悪くなって病院に行った時に「診察・検査→診断→治療」というプロセスをたどるのと同じように、賃貸住宅の空室対策でも、事前の診断によって原因を突き止めることが大切。「何が欠けているか」「どこが悪いのか」「どこを直せば改善するのか」を知ることから始めます。まずは次のようなステップで現状を把握して課題を発見しましょう。

Step1.入居状況のチェック

どんなタイプの部屋がどれくらいの期間空いているか、入居者にはどんな属性の人が多いかなど、空いている部屋と今の入居者の特徴を把握します。できれば近隣の類似する物件の入居者の属性も把握しましょう。同じワンルームでも、学生主体か社会人が多いか、男性と女性の割合はどうかによって、想定する入居者ターゲットが変わり、それによって作戦の立て方が異なるからです。

Step2.募集方法のチェック

入居率を上げるためには、管理会社等がインターネットを積極的に活用して、入居希望者や客付け仲介会社に幅広く情報を発信し、物件の特徴を効果的にアピールすることが大切です。ネット媒体への登録状況、物件図面の表現、家賃や初期費用が相場に照らして適切かなどをチェックしましょう。

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Step3. 物件状況のチェック

建物の外観から、部屋の間取り、内装・設備まで、どこに問題があるかを調べましょう。建物の築年数や維持管理状態によっては、良し悪しの判断は簡単ではありません。人気設備を導入するだけで改善することもあれば、差別化のためのリノベーション、屋根・外壁や鉄部などの塗装が必要になることもあります。

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Step4.管理運営のチェック

募集方法や物件自体に問題がなくても、共用部の清掃が不十分だったり、駐輪場が乱雑だったり、トラブルやクレームへの対応の悪さが退去の引き金になっているかもしれません。管理運営のやり方を振り返り、快適な居住環境を提供できているか、長期入居を促すような心遣いがなされているかをチェックしましょう。

参考記事:実際にやって効果があった、お金をかけない入居者サービス

これらの4つの診断で見つかった課題から、どんな対策が必要かを考えていきましょう。

文/木村 元紀

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